iPod Again

iPodのHDDについての考察
ジャンクなiPodを買って改造?(開腹する作業)が楽しくてバラしたくてしょうがない。ターゲットとなるiPodは第7世代(カバーフローの使える最終型)とする。iPod Video(5世代)とかの方が音がいいとか言われているが,まったく分からないし車載でDockからの音声出力なのでUIが洗練されている世代のものを使うことにしている。

iPodのHDDの壊れ方について

iPodでの表示 症状 HDDの音 使用可能か?
バツマークが出る 起動不可 ビープ音に近いノイズが聞こえる 不可(HDD交換)
復元しない 起動可能(MBRはok) 普通のスピンアップ,シーク音に近い 再フォーマットで使用可能?

 MTTFからするとHDDは不可逆なので壊れて来たら交換しか手段はないが,iFlash-Dualもあるので最近512GBのiPodのSDXCを買ったばかりなので,HDDの延命手段が無いものか考えてみた。
 結論から言うとバツマークが出るiPodのHDDは使用不可能,しかし中途半端に接続する度に復元を求められるHDDは使用できる可能性がある(しかし,いつまで持つかは分からない)。
 HDDのフォーマットはディスクユーティリティーを使ってFAT32などでフォーマットするけどReallocated Sector Countがどんどん増えていく,diskutil zeroDiskでフォーマットしてみるが最後の方でエラーを起こす。HDDguruも使ってみたが結局使えなかった。
 AOMI partitionでHDDをwipeすることが出来たがiTunesから楽曲を転送しているとバッドセクタで転送が止まり,iTunesがハングする。転送に失敗した場合iPodのリストアからやり直すことになる。(NO MUSIC)
 サンプル数は少ないがReallocsとiPodの相関性について調べてみた。

iPodの種類 Reallocs PowerOn Hours 起動可能
7.5th Gen 160GB 16376*512B=8.3MB 485H 起動不可
7th Gen 160GB 12056*512B=6MB 62H 起動可能(曲が混ざる,スキップする時がある)
7th Gen 160GB 8048*512B=4.2MB 164H 起動可能(不安定)
6th Gen 80GB 64*512B=32kB 783H 正常
5th Gen 30GB 40*512B=20kB 108H 曲の転送に失敗する場合がある

 Reallocsが増えると,iPodはどのような症状になるのか?

iTunesの同期ができにくくなる
同期途中で曲の転送が止まり,その後復元をしなくてはいけない
曲が混ざる,曲がスキップして他の曲に切り替わる
iTunesの同期途中で止まり,曲がほとんど入っていない

 iPod ClassicのMTTFは30万時間程度,ReallocsがHDD容量の5%を超える場合(160GBに対して),起動不可,ダイアグモードへの移行も不可能となる。よってReallocsが増えていくHDDは交換するしか無い。HDDのMTTFまで行かずとも環境条件や使用方法に左右されてReallocsが増えないHDDもある。しかし160GBなどの大容量のHDD自体の要求性能がシビアなため,壊れやすくなる。PowerOn Hoursとの有意な相関性は見られない。
 ローレベルフォーマットや0ダンプでフォーマットしてもHDDの物理的な破損は復旧することが不可能。
 以上のことからHDDからSSD(SDカードなど)への換装が現実的である。
しかしSDカードの価格が…